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コラム
 
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■1月のコラム--2002
 
「はやり目」について
〜ウィルス性結膜炎〜
 
 ここ最近、おいでになる患者さんの中で、多く見受けられるのが「はやり目」です。正式には「ウィルス性結膜炎」と言われます。この「はやり目」に感染してしまった場合、他の人にうつらないように対策をしておかないと、身の回りの人も「はやり目」になってしまいます。
  そこで今回は、「はやり目」に対して正しい知識をつけ、対処法を知っていただければと思います。コラムを読んでいて不明な点や、不安に思ったことなどがあれば、どうぞ気軽に「無料メール相談」をご利用ください。
 
●目次
 
1.ウイルスとは
 
「はやり目」は「ウィルス性結膜炎」と上に書きましたが、ここでは“ウィルス”について見てみたいと思います。

  よく耳にする“ウィルス”ですが、実は最近よりも小さい目に見えない「微生物」なのです。そして、自分で生きることはできません。ヒトや動物の細胞内に侵入し、その細胞内に住み着きます。

  ウィルスに住み着かれた細胞はどうなるのでしょうか。衰えてしまい、死んでしまい、そして病気になってしまいます。しかし、ヒトはいつでもウィルスに住み着かれ、そして病気になってしまうのでしょうか。ウィルスに対する抵抗力が強いときは、ウィルスは活動をすることができないのです。

  よって、ウィルスに侵されないためには、抵抗力を強くしておく必要があります。
 
2.結膜について
 
では、「ウィルス性結膜炎」の“結膜炎”とは何なのでしょうか。

  “結膜炎”とは、結膜に起きた炎症のことで、その原因には細菌、ウィルス、クラミジアなどの病原体や、花粉やハウスダストなどによるアレルギーが挙げられます。

  結膜は、角膜(黒目)のまわりを覆う白目の表面(=眼球結膜)から、まぶたの裏側を覆っているピンクの部分(=眼瞼結膜)を指します。そして、「涙」は眼球表面を潤し、目に入ってきた異物や病原体が眼の中に進入するのを防ぐはたらきがあります。

  ウィルス性結膜炎の中でも、全てが「はやり目」というわけではありません。とりわけヒトにうつりやすいものを「はやり目」と呼び、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の3つに分けられます。
 
一口コラム(1)
はやり目---流行性角結膜炎
感染してから7〜14日で発病。まぶたの裏側のブツブツや充血、まぶたの腫れ、流涙などの症状があらわれる。

プール熱---咽頭結膜熱
感染してから5〜7日で発病。プールで感染することがあることから、プール熱とも呼ばれる。結膜にブツブツができ、咽頭炎による発熱を起こす。

アポロ病---急性出血性結膜炎
感染してから1〜2日後に突然眼球結膜に出血を起こす。ゴロゴロ感、充血、まぶしさなどがあらわれ、結膜にブツブツができる。
 
 また、ウィルス性結膜炎には、「はやり目」の他に、単純ヘルペスウィルスや帯状ヘルペスウィルスによるものがありますが、ヒトにうつることも稀で、流行ることもありません。
 
3.はやり目の症状と治療法
 
結膜炎になるとどのような症状があらわれるのでしょうか。
 
・結膜が充血する
・目やにや涙が増える
・目がゴロゴロする
・かゆみ・しょぼしょぼ感
<ひどい症状だと・・・>
・まぶたが急激に腫れる
・出血
・発熱
・しろめがブヨブヨしてくる など
 
では、このようなウィルス性結膜炎に対する治療は、どのようなものがあるのでしょうか。実は、今のところ特効薬は無く、自然に治るのを待つしか有りません。感染してから抗体ができ、それがウィルスを退治するまでに時間がかかるので、おおよそ2〜3週間程度みておかなければなりません。その間、休養を十分に取り、体力を落とさないことが大切です。

  しかし、炎症をおさえたり、細菌の混合感染を予防するために、点眼薬を使用します。残念ながら補助的ですので、点眼薬によってはやり目が治るというわけではありません。
 
4.感染予防には・・・
 
 「はやり目」と診断された場合、家族や友人などにうつさないため、注意を払う必要があります。

  ウィルスは、目をこすったりふいたりしたハンカチなどから、他の人に感染する可能性があるため、
 
@ 石鹸と流水でよく手を洗い、ウィルスを流す。
A 直接手で目を触らない。どうしても目に触れたい場合は、ティッシュペーパーなど使い捨てのものでふき取る
B 感染している人のタオル、洗面用具は家族のものと別にする
C 食器や洗面用具などは、煮沸消毒するか熱湯をかけてから洗うように心がけてください。ウィルスは熱に弱いという性質を利用します。
 
 このようなことを心がけてください。

  感染の危険は、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱では、発病から2週間、急性出血性結膜炎では3〜4日と言われています。ウィルス性結膜炎と診断されたら、幼稚園や学校などは休まなければなりません。原則、仕事も休んでください。2週間以内には、元通り復帰できるので、その間はしっかりと休養することが大切です。
 
5.最後に・・・
 
一度「はやり目」を経験すれば、終生免疫ができるため、一度はやり目にかかれば、再びかかることはありません。終生免疫というのは、たとえば「はしか」に一度かかると、二度とかからないように、からだの中にウィルスに対する抗体ができ、免疫する役割をすることを示します。

  しかし、ウィルスの種類が異なれば、またかかることがあるので注意しなければなりません。

  今回見てきたように、はやり目は人に感染することがあるので、十分に注意しなければなりません。また、感染して間もない頃ほど、感染力が強いと言われています。少しでも、「はやり目の症状かな」と思うことがあれば、すぐに眼科へ向かうようにしてください。
 
 
 
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