コラム
 
*** 役に立つ眼のコラムです ***
 
 
■1月のコラム

近頃、頻繁にドライアイ、ドライアイとCMや広告などで叫ばれるようになりました。ドライアイ・・・一口で言えば乾いた目ということになりますが、一体どういう目のことを言うのかはわかっていないという人が大半だと私は思っています。そこで、今月はこのドライアイに焦点をあてて、サラリと説明しようと思います。


■ドライアイとは

ドライアイとは乾いた目と先ほど言いましたが、これはいろいろな原因により涙の量が少なくなったり、本来持っている涙の働きが悪くなったりすることによって、目の表面に傷ができてしまう病気のことなのです。この結果、目が痛くなったり、疲れたり、またまばたきが増えたり、白目が充血したりすることになります。


■ドライアイの原因

ドライアイは、さまざまな原因によって起こります。中には原因がわからない場合もあります。

ヒトは誰もが歳をとりますが、このときにしわが増えたり皮フが乾いてくるように、涙も少しずつ減っていきます。しかし、涙の流れ出す量もバランスよく減っていくのが普通です。ところが、このバランスが崩れたときに、ドライアイになることがあります。

全身の病気の一症状としてドライアイを起こしてくることがあります。代表的なものとして、シェーグレン症候群という病気があります。涙を分泌している涙腺が徐々に破壊されて、涙の分泌量が減少する病気です。また、涙腺だけでなく唾液腺も破壊されるので、唾液の分泌が低下するといったことも起こります。

その他には、慢性関節リウマチ膠原病(こうげんびょう)に合併してくることもあります。また、糖尿病もドライアイを引き起こす病気の一つです。

精神安定剤やその他のさまざまな薬によっても涙の量が減ることがあります。また、目薬の種類や点眼回数によってもドライアイが起こることがあります。

新しい薬をのみはじめたり、新しい目薬をさしはじめてから目が乾く・疲れるなどの症状が出たときは、一度主治医の先生や私の方へ相談しに来てください。


■ドライアイの診断

ドライアイの診断はどのようにして行われるのでしょう。

まずは、涙の量が正常がどうかみるために、涙の分泌量を測定します(シルマーテスト、綿糸法)。それと同時に角膜(黒目)や結膜(白目)の表面に傷がないかどうか、さらに涙が目の表面をきれいに覆っているかを顕微鏡を使って検査を行います。その他、血液検査をする場合もあります。


■ドライアイの治療

治療は症状や状態により、一人一人異なってきます。一般的に、軽いドライアイの場合は、少なくなった涙を補充する目的で人工涙液とよばれる涙とよく似た成分の目薬を必要に応じて使います。この場合も、さまざまな種類の人工涙液があり本人にもっとも合ったものを探していく必要があります。

さらに、角膜(黒目)や結膜(白目)の表面に傷があり、まばたきをすると違和感・痛みがあるといった場合には、潤滑剤として眼軟膏を一緒に使う場合もあります。

これらのように治療をしても効果の無い重傷のドライアイの場合には、少しでも残っている本人の涙を長い時間目の表面にとどめておくために、涙の排水口を閉じてしまう治療をします。

その他の治療法として、涙の乾きを抑えるために特別に開発されたメガネをかけるという方法もあります。

いずれにしても、まずは本人がどの程度のドライアイなのかを調べてみる必要があるので、ドライアイかなと思う人はできるだけ早い段階で私のところへ見せに来てください。

 
 
翁眼科 大阪市中央区西心斎橋1-4-5 御堂筋ビル4階
TEL:06-6245-6405 FAX:06-6245-6602