コラム
 
*** 役に立つ眼のコラムです ***
 
 
■4月のコラム
いよいよ春が訪れ、新たにフレッシュマンとして出発される方もいらっしゃることでしょう。また、そうで無くても新しい年度が始まり、また心を引き締めていることと思います。さて、そんな年度始まりは何かと忙しいもので、そういったときに起こりがちの症状があります。それは「眼精疲労」。今月は、この眼精疲労にスポットを当て、説明していきたいと思います。 

●目次


1. 眼精疲労とは?

 よくCMなどで耳にすることが多くなった「眼精疲労」という言葉ですが、そもそもはどういう意味なのでしょうか。眼精疲労とは、眼を酷使していることに気づかぬうちに疲労感、ぼけ感、充血、熱感などを感じ、さらに全身的には頭痛、肩凝り、後頭部や首などの緊張感、精神的症状(たとえば不安感、やる気がでない、イライラする、不眠など)が合併する一つの症候群です。
  そして、厄介なことにこれらは症状が隠されていることが多く、問診で初めて自覚することがあります。
  ちなみに統計的に言うと、眼精疲労の患者さんは女性が男性に比べ倍以上で、その割合は2〜5%を占めます。年代的には30〜40代に多いですが、最近は20代でもパソコンなどの影響により増えて来ています。


2. 眼精疲労の症状

  眼精疲労の症状はいろいろありますが、一般的には眼の疲労感、頭痛、眼痛、ぼける、肩凝り、充血などです。また、精神的症状を訴える方も多いです。その他には、焦点が合わない、眼瞼痙攣などがあります。
  そして、残念なことに眼精疲労は心身面の不調和が伴っているため、なかなか治りにくいものなのです。何が原因なのかをみつけることが難しいのです。
  しかし、中には複雑な症状でも、適切な治療によりうそのように症状が消失し、改善されることもあります。やはりあきらめずに根気良く治療を続けることが必要でしょう。


3. VDTによる眼精疲労

  Visual Display Terminal、要するにパソコンのディスプレイ(画面表示装置)とキーボード(入力装置)のことをさします。これをVDTと呼びます。
 最近では会社などでのほとんどの作業にパソコンが使われ、そうなると必然的に眼精疲労を訴える方が増えてくるようになりました。パソコンを使わない一般事務に比べ、VDT作業の法がはるかに眼の疲れを訴えることがわかっています。
  ある調査によると眼科へは行かず、我慢しているケースも多いことがわかっています。
  注意すべき点は、コンタクトレンズをかけている場合です。画面注視のため、まばたきの回数が減り、涙が減って角膜が乾き、それによって角膜が傷つくことがあるからです。コンタクトをかけている方で眼がだるいと感じる場合は、できればすぐに当院やほかの眼科で診てもらいましょう。


4. 治療

  眼精疲労の治療の根本は原因の除去ですが、簡単に原因がつかめることが少ないようです。そのため対症的に治療が行われ、点眼や内服薬の使用、また場合によっては抗うつ剤、精神安定剤などを症状により使います。また、メガネが適していない場合が多く、よく検査して作り直すことも重要です。
  調節性眼精疲労の治療は必要に応じ、作業用のメガネの処方を試みます。屈折性の場合は、矯正をきちんと行い、散瞳剤等で治療をした後にメガネを処方していきます。神経性では面接指示療法が原則ですが、調節機能の異常を合併することが多いようです。


5. 最後に

  自覚的に疲れがひどいときや、ストレスがたまっているときには遠慮せずに休養を取ることが何より重要です。また、自分のメガネやコンタクトレンズがあっているかどうかも調べてください。
  眼の疲れは体の変調の警報であることが多いので、自分の健康管理をきちんとしましょう。
  情報化時代の今日には、眼精疲労に悩む人が年齢を問わず増加してきています。眼精疲労は非常に複雑でいろいろな要素が組み合ってくるため、なかなか難しいですが、このコラムによって少しでも役に立てることができれば幸いです。もし何か質問がありましたら、メール相談を受け付けていますので、そちらをご利用ください。
 
 
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