コラム
*** 役に立つ眼のコラムです ***
過去のコラムのバックナンバー
■2002-01 「はやり目」について
■2001-06 正常眼圧緑内障
■2001-03 白内障
■2000-12 緑内障
■2000-10 老眼について
■2000-8&9 糖尿病と目
■2000-07 網膜剥離(もうまくはくり)
■2000-06 黒いものがとぶ「飛蚊症」
■2000-05 「眼」のストレス
■2000-04 眼精疲労
■2000-03 花粉症でよく寄せられる質問
■2000-02 花粉症
■2000-01 ドライアイについて
■3月のコラム
「白内障」---近年、テレビや雑誌などで徐々に取り上げられ始めたのでご存知の方も多いかと思います。しかし、言葉だけで内容はあまり知られていないようです。今月はこの白内障について、簡単にわかりやすく説明してみました。コラムを読んでいて不明な点や、不安に思ったことなどがあれば、どうぞ気軽に「無料メール相談」をご利用ください。
●目次
1.
白内障とは・・・
2.
白内障手術
3.
眼内レンズについて
4.
術後の合併症について
5.
最後に・・・
1.
白内障とは・・・
白内障は、
しろそこひ
とも呼ばれる眼の病気です。カメラのレンズにたとえることができるのが、眼でいう水晶体という部分です。この
水晶体がいろいろな理由で白くにごってくる状態
のことを、白内障と言います。
白内障の原因の最も多いものは、加齢現象によるもので一般に
老人性白内障
と呼ばれるものです。早い人では40歳台からはじまり、80歳台では詳しく検査をすれば大部分の人が白内障になっていると言われています。そのほかには、外傷によるもの、他の目の病気に続いて起こるもの、薬物中毒によるもの、先天性のものなどがあります。
水晶体がにごりはじめると、ものがかすんだり、二重に見えたり、まぶしく見えたりして進行すれば必ず視力が低下します。
●白内障の原因●
・老人性白内障
・外傷によるもの
・他の目の病気に続いて起こるもの
・薬物中毒によるもの
・先天性のもの など・・・
2.
白内障手術
●
一口コラム(1)
●
目の働きや構造はよくカメラにたとえられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは眼の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラで言うと絞りに当たります。
白内障になると、初期のうちには薬によってその進行を遅らせることが出来る場合がありますが、完全に治療することはできません。進行した白内障は、濁った水晶体を手術によって取り除く方法が一般的に行われています。
手術についてですが、
局所麻酔
や
点眼麻酔
という方法で行われており、痛みはありません。手術中には医師の話も聞くことができるし、会話もすることができます。手術時間も、おおまか20分程度といったところでしょうか。
最近では、「
超音波乳化吸引法
」という方法が一般的で、超音波の力で水晶体の濁った中身を3mmくらいの傷から吸い出すというものです。残った薄い膜(水晶体嚢[すいしょうたいのう])の中に水晶体の屈折力を補正するための眼内レンズが挿入されます。
3.
眼内レンズについて
●
一口コラム(2)
●
上の一口コラム(1)で述べた虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、次の一口コラム(3)で述べる網膜に焦点を結ばせる働きがあります。
さて、それでは眼内レンズについて詳しくみていきましょう。水晶体は通常20Dぐらいの強さのレンズなので、この部分が濁って取り出してしまうと、それに代わる人工的に作ったレンズを挿入しなければなりません。これを眼内レンズと呼んでいます。これがないと手術後強い遠視になってしまい、網膜にピントが合わなくなるからです。
最近の
眼内レンズには色々な種類のものが出てきており
、患者さんの希望に添えるようになってきました。紫外線吸収型のもの、サングラスのように少し色のついたもの、多焦点型のものなど開発されています。これらにより、年齢や眼の状態に応じて使い分けられるようになってきています。
4.
術後の合併症について
最近の白内障手術は、大多数の患者さんは視力を回復すること白内障手術でが出来る安全な手術になっています。しかし、2・3の合併症が確認されています。
最も多いのは、
後発白内障
といわれる薄く残した膜の水晶体嚢が、手術後1〜2年で濁ってくる合併症です。しかし、この合併症は、最近ではヤグレーザーというレーザー光線で、外来で簡単に切開でき、再び良い視力を取り戻すことができます。
●
一口コラム(3)
●
最後に眼に入った像は網膜という、カメラで言えばフィルムに当たる部分に投影され、これが視神経を通して脳に伝えられ、私達は初めてものを見ることができるのです。
もう一つは、ものが青っぽく、もしくは赤っぽく見えるという
青視症、紅視症
という合併症です。正常な人の場合、通常加齢とともに黄色みを帯びてきます。すなわち年齢とともに黄色いサングラスをかけているようなもの、とたとえることができます。このような時期に黄色に着色した水晶体を除去し、透明な眼内レンズを挿入するため、黄色いサングラスがはずれて青っぽく見えるようになります。この合併症は手術後1〜2週によく起こりますが、害は無く、多くは時間とともに自覚しなくなります。
これらは比較的軽い合併症と言うことができますが、中には非常に少数ですが重い合併症が起こることがあります。その代表ともいえるのが、手術中、もしくは術後に細菌が眼の中に入り感染症を起こす
術後眼内炎
でしょう。最悪の場合、失明に陥る可能性もあります。頻度は0.1%未満、1000人に1人未満とは言われていますが、予め知っておく必要はあるでしょう。
また、この他にも
網膜剥離
が起こることもありますが、早期発見ができれば手術で治すことができます。
5.
最後に・・・
白内障は高齢化が進む現在、眼の病気の中で頻度の高いものです。白内障の手術は近年進歩しており、より安全な手術となってきました。また、視力回復も早くなり、白内障に対する治療も高度化してきたということが出来るでしょう。
いつもコラムで言っていることですが、やはり
早期発見が治療に対しても一番大事
です。早く見つけることができれば、それだけ早く簡単に治療をすることができます。このコラムにより、少しでもみなさんが正しく白内障に対する知識を得て理解してもらえることができればと願っています。
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